トイレをパウダールームとして考えれば、当然、ライティングプラン(照明計画)にも大きなちがいが表れてくる。単なる便所であれば照明は最低限の明るささえ確保されていればそれで済む。薄汚さを隠すためには照明は暗いほうが都合がよい。だがそれが化粧室となれば、部屋の中はまず明るくなければならない。そしてその明かりは、化粧鏡の前に立った人の顔が美しく照らし出されるように計画されなくてはならないのだ。部屋の真ん中にダウンライトがポツンと一個灯っていたのでは、顔を背後から照らすようになってしまい、うまくない。壁にブラケットライト(壁掛け式照明)をつけるか、天井のライトの位置を人の立つ位置と壁との間に調整するくらいは、いわばあって当たり前の配慮なのである。さらに最上階の住戸には、トイレにもその特性を活かすくらいの発想をもってほしいものだ。「エクセラージュ神宮前」(売り主:大成プレハブ、設計:エイプ、施工:日産建設)のように、天井をくりぬいて設置されたトップライトから、太陽の光のふりそそぐトイレには、他に得がたい心地よさがある。