日本人は「外貨売り円買い」のイメージが苦手

2011-06-30

日本の個人投資家は、ドル/円やユーロ/円、ポンド/円などの対円取引をすることが多くなります。なおかつ、その取引は、“買い”から入るケースが圧倒的です。それには、いくつかの理由があります。初めてFX取引(外国為替証拠金取引)などの外国為替取引をする場合に、対円取引から始めるのは、一番無理かありません。それは、ドル/円にしても、ユーロ/円やポンド/円にしても、自分の持っている円を支払って、外貨を受け取る(買う)というイメージがつくりやすいからでしょう。しかし、外国為替取引をする場合には、自国通貨であるか、ないかには意味がありません。円を持っている、持っていないは、まったく関係がないのです。資産と負債という観点から、外国為替取引を見てみます。たとえば、ドル/円を“買った”としましょう。これは、取引の相手方からドルを受け取る代わりに、取引の相手方に円を支払うことです。ドルを受け取るということは、ドルという財産(通貨=お金)を、相手方からもらうということです。これは、ドルという財産を保有することを意味します。つまり、ドルの資産を持つことになるのです。ドル/円を“買った”場合は、ドルを受け取ると同時に、円を支払うことですから、円という財産(通貨=お金)を、相手方に渡すということです。つまり、円の負債を持つことになります。逆に、ドル/円を“売った万場合は、ドルの負債を持つことであり、同時に、円の資産を持つことを意味します。そう考えると、外国為替取引では、買っても売っても、どちらか一方の通貨を資産として持ち、もう一方を負債として持っていることになります。ドルも円も、どちらも通貨ですから、ドル/円を“売った”場合でも、実は、円という資産を持っていることになるのです。ドル/円を“売った”場合は、ドルの価値が下落して円の価値が高くなれば(為替レートの変動で言えば、「ドル安円高」になれば)、持っている円の資産価値が上昇して、負債のドルの価値が下落するので、利益になります。ところが、日本人の場合、すでに日本円を持っていますから、この「ドル/円の売り」のイメージがしにくいのです。この場合も、いったん、日本人ではない立場に立って考えてみると、理解しやすくなります。