右手と左手の接し方には三つの方法がある。左右の握力が同じであればベースボールグリップがいい。左と右の握力に差のある時は、右手小指を左手人さし指と中指の問に置くオーバーラッピンググリップか、右手小指と左手人さし指を絡ませるインターロッキンググリップを勧めたい。右手小指の長い人はオーバーラッピング、短い人はインターロッキングの方が握りやすい。過去の論では、右手握力の強い人はオーバーラッピングに、左より多少勝る人はインターロッキングと言ってきた。しかし、これは科学的根拠のない論であった。右が強過ぎて左グリップが右の強さを支え切れない時、右の小指で調整せよ、というのが理論だが、左右の手の握力を均一にさせたいのであれば、右手親指か、右手人さし指の力を抜くべきだ。それが近代スイング論に適する手段であるし、科学的根拠をも持つものである。左右の握力に差のある時、どこに注意するかといえばインパクト時のグリップ位置のズレである。握力差があれば、強振した時、握力の勝る手は被さるか、開くかの動きをとる。その動きが怖い。間違いなく球は曲がる。自覚しなくても、この動きは生じる。しかも、下半身の動きに呼応するから厄介だ。計算できぬ手の動きを抑止するために、左手人さし指と右手小指をつなぐグリップが経験の中で生み出された。その経験に筋違いの論をかぶせたのが前述の論である。オーバーラッピング、インターロッキングは左右の手の勤きの均一性を求めたグリップであって、握力の強さの均一を画ったグリップ型ではないことを知るべきである。その握力差の調整は親指と人さし指に求めるべきだ。