「きょうは勉強できなかったけど、あしたからがんばればいいや」「この問題がわからないけど、試験に出そうもないからいいや」人間というのは、不安なことやイヤなことに直面すると、ついつい「逃げ道」を用意したくなる。ところが、逃げ道の作り方によっては、ますます勉強に手がつかなくなったり、現実から離れてしまったりすることもある。「あしたからがんばろう」というのも、長い目で見ていくと、けっこう危険な逃げ道なのである。きょうやれなかった自分が、あしたやれるという保証はない。あしたやれなければ、半年後、一年後にやれる保証もない。そうしてどんどん時間が切迫してきたとき、いよいよプレッシャーが強くなって、ますます勉強に手がつかなくなる可能性もある。ただし、「逃げ道」が悪いとは決めつけられない。たとえば、ずっとコンスタントに勉強してきた人が、「きょうはちょっと休んで、あしたからがんばろう」と思ったとする。この場合は、むしろいい気分転換になって、あしたからの勉強がかえって効率よく進むかもしれないのだ。また、難問や奇問に当たったとき、「こりゃあ解けなくてもいい」と考えたほうがいいこともある。「難問を捨てて、標準問題を確実に解けるようにしよう」という考え方のほうが、はるかに要領のいい勉強ができるからだ。いずれにしろ、危険な「逃げ道」は、できるだけ作らないに越したことはない。そのためには、逃げ道を作ろうとしている自分の心の動きを、客観的に見られるようにしておくことも大切だ。「あ、オレはいま、ここから逃げようとしている」ということが、自分でわかっていれば、逃げ道の「入口」でふと立ち止まることができる。それは、「現実に立ち戻れる」ということなのである。ここでは、大学受験生がハマりやすい危険な逃げ道について考えながら、どうしたら現実に戻れるかという話をしていきたい。