デザイナーに合理的な「ライセンス・ビジネス」

2010-12-19

一般的に、デザイナーはそれほど資金力があるわけではないから、それぞれの感性とライフスタイルを生かしながら仕事を広げていくというライセンス・ビジネスは合理的だと思う。しかし、ハンカチ一枚、スカーフ一枚が、デザイナーと消費者の橋渡しをしてくれるわけだから、責任がある。ただライセンス・ビジネスには、ライセンシーとデザイナーの生活哲学がズレてしまう危険性もある。スタート当初は、両者ともに意気に燃えて始めるわけだが、三年、五年と月日がたつうちに、もっとたくさん売上げをあげたいというライセンシーの商業主義が、デザイナーのスタイルを希薄にし、質を曖昧にしてしまう。また、息が合って、生き方や趣味が同じような感覚の企業の人と組むと、気持ちよく仕事ができる。その方たちの話に耳を傾けていると、マーケットの様子や、消費者はどんなものをほしがっているのかといった情報も入って勉強になる。名前をつける以上は、しっかり、デザイナーの目が行き届いているべきだと思う。日本でやっている外国の有名デザイナーのライセンス品のなかには、その名前をつけただけというものが少なくないが、私は企画段階はもちろん、経過に目を通すことを重視してきた。しかし、一年に何回も新作を出すわけだから、これはなかなか大変な仕事である。ライセンスのものには自分の名前と同じくらい、蝶を使ってきた。おかけで、私の蝶は今では広く世界を飛び交っている。