鶏肉の唐揚は大人から子供まで大人気のメニューだが、同じ鶏肉でもそれを天ぷらにしたのが、大分名物の「とり天」だ。現在、大分市内では、とり天専門店こそ少ないものの、食堂、居酒屋、ファミレスなど多くの飲食店でとり天を出している。とり天を目当てに、県外からやってくる観光客も多いという。大分市も、とり天を市から発祥した郷土料理として積極的にPRしている。そんなとり天の発祥とされる店がキッチン丸山だ。そのキッチン丸山によると、かつて同店では、唐揚げ定食が人気のランチメニューだった。ところが、この唐揚げは骨付きだったため、手を使って食べなければならず、多くの女性客が食べにくそうにしていた。それを見たとり天の発案者の丸山尚美氏が、女性の悩みを解決しようと、鶏肉の骨を抜いて、ひと口で食べられる大きさにして、天ぷらで揚げるとり天を考えだしたのだ。天ぷらにしたのは、さっぱりとした食感を出すためだったという。とり天は、一九六〇年代後半からメニューに登場した。とり天七個にライス、味噌汁が付いて唐揚げ定食と同じ一〇〇円。こんなに安い値段で提供できたのは、当時は鶏肉がとても安かったためである。ちなみに、二〇〇八年現在の価格は六八〇円となっている。また、とり天は一般にはカラシと酢じょうゆで食べられることが多いが、なかにはポン酢や天つゆなどを出す店もあり、バリエーションが増えている。
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