自分がどの程度成長したのか客観的に比較する対象がない

2012-02-01

景気低迷に基づく人員調整のため、企業が長く新卒採用を絞り込んできた影響で、同期入社の新卒がいない、もしくは非常に少ないケースが増えている。そのため同期の友人どうしでの競い合いや情報交換がないので、成長を実感しにくい状況が増えている。たとえば入社後、社内の各部門や支社などに配属されてみると、周囲を見渡しても同期は一人もおらず、自分の上の先輩は10年選手だったりする。やっている仕事は入社以来、ほとんど変化がない。

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そうすると、仮に三年間仕事をしても、自分がどの程度成長したのか客観的に比較する対象がない。たまに大学時代の友人と会ったりすると、海外でバリバリ活躍しているとか、何億円のプロジェクトを任されているとか、とても輝いて成長しているように見える。それで「自分はこれでいいのか」という不安にとりつかれてしまう。実際、私はクライアント企業から「新入社員フォロー研修」や「入社三年目研修」の依頼を受けることがよくある。そこで起きることは非常に興味深い。ほとんどが同期としばらくぶりに会うので、最初はみなすごく緊張している。誰もが周囲はすごく成長しているように見えて、成果も出していそうだし、「自分は取り残されているのではないか」と心配している。しかし研修のプロセスでいろいろな発表やプレゼンテーションをやっていくと、だんだんボロが出てきて、「すごく成長しているように見えたけど、中身はあまり変わってないな」ということが見えてきて、安心して打ち解けてくる。最終的には「やっぱりみんないろいろ悩みながら頑張っているんだなあ。自分だけじゃないんだ」ということがわかって、「実は会社辞めようかと思っていたけど、もう一年頑張ろうと思いました」といった結論になることが多い。これが研修の狙いである。「自分の成長が遅れているのではないか」という不安感と焦りは離職へ動く心理に非常に大きな影響を与えている。