世代を超えて日本中に広がっていく

2011-07-03

「何で宿題してこなかったの?」「集中して勉強しようね!」とだけ声をかけてもあまり意味はないと思います。それよりも大切なことは、生徒のちょっとした変化に気づき、生徒がいま何を考えているかを知ろうとすることだと思っています。私たちはそのあと、けんかした相手とこれからどうやって仲直りをするか一五分ほど話し合いました。話し終えたその生徒はかばんを開け、自らテキストを開いて勉強し始めました。心のうちを吐き出し、話を聞いてもらったことで安心感が得られ、心の落ち着きを取り戻すことができたのです。私は現在看護大学に通っています。入学した当時は看護のなかでも進みたい領域がありませんでした。しかし、某個別指導塾で生徒と関わっていくなかで、子どもたちが思春期・青年期と成長・発達する過程において病気がどのように影響を与えるかに興味を抱くようになりました。看護師になったら、このように病気をかかえながら成長・発達していく「キャリーオーバー」と呼ばれる人たちが入院する科に行きたいと希望しています。「生徒のちょっとした変化に気づき、生徒がいま何を考えているかを知ろうとすること」・・・私はこの講師の話を聞いて、これこそがホスピタリティだと感心しました。わずかな生徒のサインを見逃さずに察知し共感できるかできないか、その違いでその後の対応はガラつと変わってきます。たとえば、授業が始まってあわてて生徒が教室に駆け込んできたとします。生徒の頭や衣服は雨でぬれています。「あれ?にわか雨がふってきたのか」と言ってそのまま授業を始めるか、「ぬれてるじゃないか、これでふけよ。雨のなか、たいへんだったな」と言ってすかさずタオルを差し出せるか。また、授業が終了したとき、「じゃあ、気をつけて帰れよ」とだけ言ってそのまま帰すか、「これ、使っていいよ」と自分の傘を差し出せるか。また、傘がなければ置き傘でも探してきて差し出せるかどうか。両者では、受け取る側の心理がまったく異なると思いませんか?私は、某個別指導塾で働く講師たち全員がこの「ホスピタリティ」の心を持ってほしいと強く願っています。そういう環境で育った生徒たちは、そうすることが当たり前だと思って育っていき、また、次の世代にそれを伝えていくはずです。「ホスピタリティ」の精神が世代を超えて日本中に広がっていくことが私の願いです。
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