娘の場合、ずいぶん厳しい場面を持ち前の集中力で乗り切ってきた。しかし世の中では全力を尽くしても、そう簡単に願いがかなうわけではないということを知るほうが意義深いと思っていた。娘はずいぶん親の苦しい場面で励ましてくれた。あと一年、その子を援助することはむしろこちらの願うことでもあった。昔に比べ、受験は家族の総力の闘いになることが多い。もちろん昔のように単独でがんばる受験生も多い。だが、ころころ変わる制度に振り回されながら、絶えず新しい情報を入れるのは、子どもだけでは限界もある。娘がこうやってけじめをつけられるように育っていることに私はびっくりした。自分なら、どうだったろう。きっと落ちたことに対する落ち込みばかりが心にあり、親に謝るなどという発想にはならなかったろう。親はなくても、子は育つ。娘の成長がわかっただけでも、受験失敗の意味があった。